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トラベラーウォッチ 四章… 突然

  • kh0824hk
  • 2016年12月8日
  • 読了時間: 5分

「つまり…はやちん。俺も持ってるんだトラベラーウォッチ。」 僕は井田が言っている意味が分からなく動揺したが問い返してみた。 「トラベラーウォッチって…この時計の事か?」 そう言葉にした僕は袖をまくりトラベラーウォッチと呼ばれる時計を井田に見せた。 すると、井田は今までの疑いが晴れたかのように僕に近づき時計を眺めた。 「ごめんな、はやちん。最初は、まさかと思ってちょっと疑っていて信じられなかった一面もあったけど今ので確信に変わったよ。」 …と井田はさっきまで飲みかけにしていたいちごみるくをゴクリと飲み干し肩を落とした。 「俺もトラベラーから聞いた話しで真実かどうかは分からないがそれはトラベラーウォッチと呼ばれる時空を超えるちっちゃくなったタイムマシンのミニバージョンらしいんだ…俺もまだ試した事は無いし方法も分からないからよく分かってないんだけどな…。」 すると井田はデニム生地のポケットから指輪を取り出した。 特に、特別な特徴がある訳でもなくどこにでもありそうな銀色のシンプルな指輪だった。 「はやちん、これが俺に渡されたトラベラーウォッチだよ。」 僕はいま、僕の中の疑問がまた蓄積され頭がパンクしそうな状態になる手前だ。 「井田…そのトラベラーウォッチは俺みたいな時計の形をしているんじゃぁないのか?」 すると、井田は少し笑みを浮かべ僕に言葉を返した。 「はやちん…トラベラーから何も聞いてないんだね。まぁ、いいや話すよ。」 井田によると、トラベラーウォッチとは形や形状に決まりはないらしい。 トラベラーウォッチは世界にいくつもある訳では無く、向こうの世界を含め5つ存在しているらしい。 そのうちの2つが今、僕ら二人が持っているということらしい。 時間を操ることなんて不可能と思われがちだが、このトラベラーウォッチさえあれば自由自在に書き換えが可能だとトラベラーから井田は聞いたらしい。 井田がトラベラーウォッチを渡されたときも、自宅に大きな宅配物が届き携帯電話が鳴り知らない世界へ移動してと全く僕と同じ展開を井田も体験したのだという。 そして、僕が知らない世界に導かれ連れて行かれたことが初めてでは無いそんな気がしたのは、昔の記憶だから忘れていたらしいと井田は語った。 井田が根拠を持ってなぜこの話をしているかというと、井田も僕と同じで過去に知らない世界に導かれたことがあり、しかもその時僕と一緒に居たのだということらしい。 記憶に思い出せなく忘れたとしても時空移動を再度すれば断片的ではあるが、よみがえることもあるとだと井田は話した。 井田も知らない世界に行くまで忘れていた幼き頃の記憶らしいが、知らない世界の風景を見て一気に記憶が蘇ってきたのだと僕に話した。 そして、その体験があることによりトラベラーウォッチと僕らは必然に出会ったのだ。 「…井田、それお前本当に信じているのか…?」 「信じるも何も実際、はやちんと俺には現実的に起こっているんだよ。もし…はやちんだけがその体験をしたのなら俺も信じるのには時間が掛かるかも知れないけど、二人とも同じ体験をし今、トラベラーウォッチをお互いに持っている。」 確かに井田の言う通りだった。 「はー。そうだよな…これは夢じゃぁなく現実なんだよな。」 僕が下を見ながらため息混じりの声を口にした瞬間…。 突如、あの時の眩い光に包まれ僕と井田は白い大理石の大きな部屋に居た。 この部屋は、もうすでに来たことがある。 昨日来た謎の部屋だった。 「えーなに、この味気ない部屋!!もっとカラフルな感じ望んでいたのに…」 聞き覚えのない声が白い大きな部屋に響き渡り壁に反響する。 「別に、部屋なんてどーでもいいんだよっ!!それよりなんだよこの場所は…うわっつ!!」 すると、赤い眩しい色に全身を包まれた赤髪の男性が僕らに驚き腰を床にベタっと付いた。 「クレートなにやってんの…めちゃくちゃウケるんですけど…」 これは、また大きな笑い声が白い大きな部屋に響き渡る。 「うるせぇ!!笑うなよ!!レービンそれより見てみろよあそこ人が居るぞ!!」 え…?と振り向き青いドレス姿をした綺麗な女性がこちらを振り向く。 先程の声からは、万が一の間違いがあっても想像出来ない美しい美貌だった。 「あらっ…やっと会うことで出来たわね!!まぁいいわようやくスタートね。」 30メートルはあっただろうか…。僕と彼女の距離を目にも止まらぬスピードで詰め寄りレービンと呼ばれる女性は僕ら二人を軽く抱き上げ大きな白い部屋を出た。 「なに…顔真っ赤にしてんの僕。もしかして私に惚れた…?」 無論、僕が顔を真っ赤にしていたのは美しい女性に目を奪われたからである。 「いーぇぇぇぇぇい!!なんだかわからないけどいぇーーーーいいいいい!!」 僕の右隣の腕からは大きな叫び声が聞こえてきた。 無論、そちらの声の正体はよく分からないテンションの持ち主井田だった。 「クレート…ここ開けてちょうだい!!」 レービンの掛け声の合図と共にクレートが手に握りしめていたフォークを空中に投げた。 「相変わらずだせぇぇぇけど…フォークファンタジー♪♪…」 「…はははっつつつっつあんたのその技の名前と良い相変わらず…。」 レービンの大きな笑い声と共に僕らの目の前には大きな黒い穴が空きそこに僕らは飛び込んだ。 どかっ…と大きな音を立てレービン以外の男3人組が白い大理石とはうって違った木の床に転がり込んだ。 「いってぇぇぇぇ…よ。おめぇら!!」 どうやら僕ら二人はクレートの体の上に着地をし彼の背中の上で転がりこんでいたらしい。 「初めまして…井田君、隼人君…。君らに会えて嬉しいよ私は…さて始めようか。」 聞き覚えがある低い冷たい声が僕ら二人の耳に入り込んできた。


 
 
 

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